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■蛇口から水が出なくなった日
平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、これまでに経験したことがない甚大な被害を東北地方太平洋沿岸にもたらしました。盛岡市は、直接津波の影響を受けてはいませんが、地震発生直後の停電の影響により、市内における断水及び水圧低下の発生世帯は最大46,867世帯に及びました。
平成23年4月3日応急給水の様子
(釜石市)
平成23年5月10日応急復旧作業の様子
(大船渡市)
■おびやかされた水道水の安全性
東日本大震災により福島第一原子力発電所が津波による被害を受け、広範囲に放射性物質が拡散するという緊急事態が発生しました。そして、放射性物質は、水道の原水に対しても影響を与えていました。
上下水道局は、水道水の放射性濃度の測定により、水道水の安全性を確認し、安心して皆さまに飲用していただけるよう努めています。
※岩手県の環境保健研究センターでは、水道水(新庄浄水場水系)に含まれる放射性物質の水質検査を現在も継続して行っています。
また、東日本を中心とする各都県内の浄水汚泥(水をきれいにする過程で発生した土などを含む濁水を濃縮・脱水・乾燥させたもの)から放射性物質が検出されたことを受け、市内の浄水場から発生する汚泥に放射性物質が含まれていないか、自主測定を実施しました。
自主測定 詳細はこちら
なお、測定は現在も継続して実施しています。
■盛岡市の災害対策
水道は、皆さんの暮らしを支える重要なライフラインです。災害が発生した場合でも、途絶えることなくお届けしていきたい-そのために上下水道局では、水道施設の耐震化や災害対応力の強化、停電対策などに取り組んでいます。
(1)水道施設の耐震化
水道管などの水道施設は、災害が発生した場合に想定される断水影響範囲や地盤の状況などを考慮しながら、耐震化が進められています。
令和4年度の盛岡市の管路の耐震化率(管路全体のうち耐震化されている管の割合)は31.6%となっており、令和6年度の34.6%を目標に、計画的に耐震化工事が進められています。
(2)災害対応力の強化
災害時に迅速かつ的確に対応するためには、日ごろの訓練も大切です。災害が発生したときの行動方針を定めた、上下水道局災害対策マニュアルを整備・運用しています。
また、毎年開催される市の総合防災訓練や日本水道協会東北地方支部主催の合同訓練に参加し、災害の発生に備えています。
漏水管修繕訓練
(盛岡市総合防災訓練)
中継地点の塩竈市で給水タンク車へ注水
(日本水道協会東北地方支部主催の合同訓練)
(3)停電対策
東日本大震災では、多くの世帯に断水が生じました。その原因は「停電」です。停電により浄水場の機械が稼動できなかったこと、水を浄水場から各家庭に届けるまでに経由するポンプが稼動しなかったことなどが挙げられます。そのため、盛岡市では約30時間に及ぶ大規模断水が発生することとなりました。
その教訓を生かし、米内浄水場に高圧電源車を配備するとともに、各ポンプ場の電気設備を整備しました。
■大規模災害を想定したシステムの構築
東日本大震災は、それまで取り組んでいた災害対策に対して新たな課題を明らかにしました。これに伴い、現在まで様々な災害に対する対策を行ってきました。
今後も大規模地震や集中豪雨などの自然災害や、有害物質が流入するなどの水質事故が起こりうるという前提に立ち、これらに対応した安全で強靭な水道システムを構築する必要があります。