■合流式下水道改善計画 |
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盛岡市では、下水道の整備が完了した区域のうち、中心市街地の約496ヘクタールを合流式下水道で整備しています。この合流式下水道は、汚水と雨水を同一の管きょで排除する方式であることから、分流式下水道と比べて経済性・施工性に優れており、昭和40年代後半まで採用されていました。しかし、雨天時には処理水量が増大し、処理しきれない希釈された未処理下水が公共用水域へ放流されてしまうため、水質汚濁や悪臭の発生等が社会問題となりました。このため、合流式下水道を採用している都市において、緊急的かつ集中的に改善対策を実施する「合流式下水道緊急改善事業」を平成14年度に国が創設し、平成15年度には下水道施行令の改正によって、中小都市は平成25年度、大都市は平成35年度までに緊急改善対策を完了することが義務付けられました。
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■盛岡市における合流式下水道緊急改善計画 |
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盛岡市では、下水道法施行令の改正を受け、雨天時における未処理下水の放流を半減させ、水質を改善するための計画や目標を、「盛岡市合流式下水道緊急改善計画」として平成16年度に策定しました。
平成21年度には、改善目標及び改善方法の見直しを行い、計画期間を延長する内容で変更計画を策定しました。平成24年度には、中間評価を実施した上で改善対策の一部を見直す変更計画を策定しました。
当初計画や変更計画の策定及び事業評価に当たっては、盛岡市内在住の有識者による「盛岡市合流式下水道緊急改善事業アドバイザー会議」を設置し、有識者からのご意見を参考にさせていただきました。
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■計画に基づく対策の実施
盛岡市合流式下水道緊急改善計画の主な対策は、雨水吐き室へのきょう雑物等除去装置設置と越流堰嵩上げ、遮集管の整備、簡易水処理施設の整備とし、令和元年度に全ての対策を完了しました。
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平成15年度
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合流式下水道の現況調査・放流水の実態調査を実施 |
平成16年度 |
有識者によるアドバイザー会議を開催
盛岡市合流式下水道緊急改善計画を策定
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平成17年度 |
対策施設の整備着手(きょう雑物等除去装置・平成19年度供用開始) |
平成19年度 |
対策施設の整備着手(遮集管渠・令和元年度供用開始) |
平成20年度 |
対策施設の整備着手(簡易水処理施設・平成25年度供用開始) |
平成21年度 |
有識者によるアドバイザー会議を開催
盛岡市合流式下水道緊急改善(第1回変更)計画を策定
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平成24年度 |
有識者によるアドバイザー会議を開催
盛岡市合流式下水道緊急改善(第2回変更)計画を策定
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平成25年度 |
対策施設の整備着手(越流堰嵩上げ・平成25年度供用開始) |
平成28年度 |
有識者によるアドバイザー会議を開催 |
令和元年度 |
全ての対策施設整備を完了 |
令和2年度 |
モニタリング調査(水質・水量等)を実施 |
令和4年度 |
事後評価に係る有識者からの意見聴取
盛岡市合流式下水道緊急改善事業事業評価シートを国に提出
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■計画の目標達成状況
実施した対策によって、目標がどの程度達成されたかを確認するため、令和2年度に水質や水量等のモニタリング調査を実施しました。調査の結果により、全ての項目について目標を達成していることが確認されたことから、令和4年度に調査結果を有識者に報告し、ご意見をいただいた上で事業評価シートを国に提出しました。
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