トップ > 盛岡市の水道事業・下水道事業 > 下水道事業 > 各種計画 > 合流式下水道改善計画 > 計画策定の背景
下水の排除方式には、汚水と雨水を別々の管きょで排除する分流式下水道と、汚水と雨水を同一の管きょで排除する合流式下水道があります。
昭和30年代以前は、全国的に浸水被害が頻発していたことから、分流式に比べ雨水対策と 汚水対策が同時に安価に解決できる合流式下水道が広く全国に普及しました。このため早くから下水道を整備している大都市を中心にこの方式を採用しており、 現在、全国で下水道実施市町村の約1割にあたる191都市が合流式下水道を採用しています。
盛岡市においても、昭和28年に市の中心部にあたる菜園排水区を対象に合流式として計画面積150.30ヘクタール、計画人口3万60人の事業認可を受け、4カ年の継続事業として着手したのがはじまりです。
その後、合流式による整備は昭和40年代後半まで続き、南排水区、内丸排水区、北排水区および東排水区の合計で約496ヘクタールが合流式となっています。
図-1合流式と分流式の比較
トイレやおふろの汚水と、雨水を同じ1本の管きょで収集します。
≪長所≫一般に建設費が割安
≪短所≫雨が降ったとき、未処理水が川へ放流される
トイレやお風呂等の汚水と、雨水を別々の管きょで収集します。
≪長所≫大雨が降っても未処理の汚水は放流されない
≪短所≫道路に降った汚れた雨水を処理場で処理できない
合流式下水道においては、雨天時に発生する汚水と雨水を処理場ですべて処理しようとすると処理場の規模が極端に大きくなり経済的でないため、雨水によって希釈された一定量以上の未処理下水を公共用水域へ放流するしくみとなっています。
昭和40年代中頃になると、水質汚濁が大きな社会問題となり、合流式下水道は公共水域の水質保全上好ましくないとされ、これ以降に事業着手する自治体では原則として分流式下水道を採用することとなりました。
図-2雨水吐室の晴天時と雨天時の流れ
晴天時
雨天時
東京湾にオイルボール(油のかたまり)が発生し、その原因が合流式下水道の未処理下水の放流によるものであることが、マスコミ等で報道され、社会問題化しました。
国としても合流式下水道の改善を本格的に推進することとなり、2004年(平成16年)4月には、おおむね10年以内に合流式下水道の水質を分流式なみにすることなどを骨子とした下水道法施行令の改正がなされました。
盛岡市としても、このような動向を受け「盛岡市合流式下水道改善計画」を策定し、合流式下水道の改善に取り組むこととしました。