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■水質管理目標設定項目一覧(全27項目:2021年4月1日現在)
項目 | 目標値 | 区分 | 解説 | |
1 | アンチモン及びその化合物 | アンチモンの量に関して0.02ミリグラム/リットル以下 | 金属類 | 材料分野で幅広い工業利用がなされているレアメタルの一種で、工業排水により環境水中に混入する恐れがあります。 |
2 | ウラン及びその化合物 | ウランの量に関して0.002ミリグラム/リットル以下 | 金属類 | 原子炉の燃料、ウランガラスの原料として有名な元素です。花崗岩などの鉱物や海水中にも微量ながら広く分布しています。鉱業・工業排水により環境水中に混入するほか、リン鉱石中に一定量含まれることから、リン酸肥料による農業排水も汚染源となる恐れがあります。 環境水中には放射性ウランはほとんど存在せず、主な健康影響は重金属としてのものです。 |
3 | ニッケル及びその化合物 | ニッケルの量に関して0.02ミリグラム/リットル以下 | 金属類 | 合金の材料など幅広い工業利用がなされている金属で、鉱業・工業排水などから環境水中に混入する恐れがあります。また、水道では給水管や給水設備の材料として多く使用され、これらの腐食により水道水中に混入する恐れがあります。 |
4 | 1、2-ジクロロエタン | 0.004ミリグラム/リットル以下 | 有機化学物質 | 化学合成の原料として幅広く工業利用がなされている有機化学物質で、工業排水のほか、貯蔵タンクからの漏出により環境水中に混入する恐れがあります。土壌浸透性が強く、地下水層にまで浸透した場合には長期間にわたり汚染が継続します。 |
5 | トルエン | 0.4ミリグラム/リットル以下 | 有機化学物質 | 染料、顔料の原料、有機溶剤をはじめとして広く工業利用がなされている有機化学物質です。工業排水から環境水中に混入する恐れがあるほか、ガソリン添加剤としての利用もされていることから、自動車事故などにより環境水中に混入する事例もあります。 |
6 | フタル酸ジ(2-エチルヘキシル) | 0.08ミリグラム/リットル以下 | 有機化学物質 | 可塑剤、溶剤をはじめとして幅広い工業利用がなされている有機化学物質です。近年では、環境負荷や毒性が挙げられ、使用を抑制する働きがあります。 |
7 | 亜塩素酸 | 0.6ミリグラム/リットル以下 | 消毒剤 | 二酸化塩素の反応過程において、亜塩素酸イオンが副生成することから、二酸化塩素を浄水処理薬品として使用した場合に、左の2つの項目の検査を行うことが望ましいとされています。 盛岡市では浄水処理において次亜塩素酸ナトリウムを使用していることから、当項目の検査は省略しています。 |
8 | 二酸化塩素 | 0.6ミリグラム/リットル以下 | 消毒剤 | |
9 | ジクロロアセトニトリル | 0.01ミリグラム/リットル以下(暫定) | 消毒副生成物 | 浄水処理工程で、塩素とフミン質、藻類及びアミノ酸が反応してできる副生成物の1つです。時間の経過とともに、また水温が高いほど生成量は増加しますが、トリハロメタンほど顕著ではありません。 |
10 | 抱水クロラール | 0.02ミリグラム/リットル以下(暫定) | 消毒副生成物 | 浄水処理工程で、塩素とフミン質及び酸化シアンが反応してできる副生成物の1つです。 |
11 | 農薬類 | 検出値と目標値の比の和として1以下 | 農薬類 | 水源上流などにおける農薬の使用状況により、使用されている薬剤について検査を行うこととされています。現在計114種類もの農薬が対象になっており、各農薬の検出値をそれぞれの目標値で除した値を合計して、その合計値で評価する総農薬方式を採用して厳しく監視しています。 |
12 | 残留塩素 | 1ミリグラム/リットル以下 | 消毒剤 | 水中に塩素を注入することによって水中に残留した有効塩素をいい、水道法では衛生上の措置として水道水の残留塩素を0.10mg/L以上保持するよう規定しています。 残留塩素を有効に含んでいない水は殺菌作用が失われ水系感染症の原因ともなりますが、残留塩素は水道水の塩素臭(カルキ臭)の原因になるため、盛岡市ではおいしい水道水を供給するため残留塩素の低減化に取り組んでおり、給水栓での残留塩素が0.40mg/L以下になるよう運転管理に努めています。 |
13 | カルシウム、マグネシウム等(硬度) | 10ミリグラム/リットル以上100ミリグラム/リットル以下 | 無機物 | 水質基準項目 「39 カルシウム、マグネシウム等」と同様。 |
14 | マンガン及びその化合物 | 0.01ミリグラム/リットル以下 | 金属類 | 水質基準項目 「37 マンガン及びその化合物」と同様。 |
15 | 遊離炭酸 | 20ミリグラム/リットル以下 | 無機物 | 水中に溶解している二酸化炭素(CO2) のことをいいます。遊離炭酸は炭酸塩や、有機物質が分解して発生した二酸化炭素、空気中の二酸化炭素などが水中に溶解することに起因します。地下水では有機物の分解がすすんでいることなどにより、一般に多く存在します。 |
16 | 1、1、1-トリクロロエタン | 0.3ミリグラム/リットル以下 | 有機化学物質 | ドライクリーニング用溶剤、脱脂洗浄剤などに使用されている有機化学物質で、これらの工業排水により環境水中に混入する恐れがあります。 |
17 | メチル-t-ブチルエーテル | 0.02ミリグラム/リットル以下 | 有機化学物質 | ガソリンや溶剤の添加物として使用される有機化学物質です。 |
18 | 有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) | 3ミリグラム/リットル以下 | 基礎的性状 | 水質基準項目「46 有機物(TOC)」と同様。 |
19 | 臭気強度(TON) | 3以下 | におい | 臭気強度(TON:Threshold Odor Number)はにおいの強さを数値化したものです。水道水中には必ず塩素が含まれることから、塩素臭以外のにおいについて検査を行っています。 |
20 | 蒸発残留物 | 30ミリグラム/リットル以上200ミリグラム/リットル以下 | 無機物 | 水質基準項目 「40 蒸発残留物」と同様。 |
21 | 濁度 | 1度以下 | 基礎的性状 | 水質基準項目 「51 濁度」と同様。 |
22 | pH値 | 7.5程度 | 基礎的性状 | 水質基準項目 「47 pH値」と同様。 |
23 | 腐食性(ランゲリア指数) | マイナス1程度以上、極力0に近づける | 基礎的性状 | 水の水道管に対する腐食性を数値化した指標です。指数が正の値で大きいほど炭酸カルシウムの析出が起こりやすく、逆に負の値では炭酸カルシウム被膜が形成されず、その値が大きくなるほど配管が腐食されやすくなります。このため、指標を0に近づけることが理想とされています。 河川表流水を原水とした水道水は一般的にカルシウムイオン濃度が低く、このためランゲリア指数は負の数値が大きくなりやすい傾向にあります。 |
24 | 従属栄養細菌 | 2000個/ミリリットル以下(暫定) | 病原生物による汚染の指標 | 生育に有機物を必要とする細菌の総称で、そのうちの多くは無害と考えられています。本来的な水中細菌の計数として測定され、有機汚濁の進んだ水ほど多数になる傾向があります。浄水処理過程等での細菌挙動の評価、また水道システム内における塩素の消失や滞留に伴ってこれらの細菌が増加するので、それらが清浄な状態にあるかどうかをチェックする際に有効であるとされています。 |
25 | 1、1-ジクロロエチレン | 0.1ミリグラム/リットル以下 | 有機化学物質 | 揮発性の有機塩素化合物で、樹脂工場排水等により環境水中に混入する恐れがあります。揮発性が大きいため、表流水に混入した場合は速やかに大気中に拡散しますが、水より比重が大きく、土壌に排出された場合には地下深層まで浸透し、長時間残留します。 |
26 | アルミニウム及びその化合物 | 0.1ミリグラム/リットル以下 | 金属類 | 水質基準項目 「33 アルミニウム及びその化合物」と同様。 |
27 | ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA) | PFOS及びPFOAの量の和として0.00005ミリグラム/リットル以下(暫定値) | 有機化学物質 | 撥水剤等として用いられてきた化学物質(有機フッ素化合物)で、環境中で分解されにくい性質があります。健康への影響については研究段階ですが、2020年4月に目標値が定められました。 |